はじめに

 「活静体操」は心身のリフレッシュのためのトレーニングです。このエクササイズは誰でも気軽に実践することができます。
 
 朝起きられない人、夜寝られない人のために、また、腰痛・肩こり・便秘症など、生活習慣病の自己治療法として、さらに太極拳やスポーツ実践者に、基礎体操としておすすめします。
 
 朝、起きるのがつらい、午前中調子が悪い、という症状を持つ人は少なくありません。それは、「交感神経」がしっかり働いていないからです。「交感神経」はやる気を起させる神経です。

 夜寝ることがむづかしい、つい夜更かしをしてしまう。という人は、「副交感神経」がしっかり働いていないのです。

 朝目が覚める、夜眠る、という本当に生活の基本ともいえるところがグラついている人は自律神経失調症です。自律神経は体内のセキュリティシステムです。

 こうしたシステムの失調は、朝、太陽が昇るころに目を覚まし、太陽が沈むと眠っていた、太古の時代にはありえないことでした。現代は生活が便利に快適になった反面、昼と夜が逆転したり、食べ過ぎたり、運動不足になったり、冷暖房の効いたオフィスで自然の環境から切り離されて生活しがちです。そうすると体内の自動装置は狂ってくるのです。

 テレビ・パソコンの強い光の刺激にさらされて、大脳が過剰に働きすぎ、逆に生命脳である古皮質のはたらきが鈍り、自律神経が調子を崩します。私たちの生活環境が自律神経を狂わせてしまうのです。一億の日本人の大半が自律神経失調症に陥っています。若い世代ほどその症状は深刻です。

 では、狂った自律神経を調整するにはどうすればいいでしょうか?おそらく、まずあなたは病院に行き、医師に相談することを考えるでしょう。ちょっと待ってください。

 この自律神経の失調には医師の処方する薬よりも、ごく簡単な体操と、呼吸法が特効薬なのです。

 毎朝、パソコンのスイッチを押してメールチェックをするよりも前に、この本で紹介する運動と呼吸法をおこないましょう。「活静体操」は、どれもほんの少ないスペースで練習できます。畳半畳の広さがあれば十分です。

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